金井三男さんの星ナビ「こだわり天文夜話 最終話」とステラナビゲータ番組「世界の星座」を特別公開

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6月10日に逝去された金井三男(かないみつお)さんへの追悼の意を込め、「星ナビ」連載コラム「こだわり天文夜話 最終話」と、ステラナビゲータに収録のプラネ番組「世界の星座」の動画を特別公開いたします。

【2024年7月5日 星ナビ編集部

旧五島プラネタリウムで解説をつとめ、月刊「星ナビ」創刊号から続く人気コラム「金井三男のこだわり天文夜話」を連載していただいていた金井三男(かないみつお)さんが6月10日にご逝去されました。享年77。発売中の「星ナビ」8月号では、最終話となる「第二百八十三話:ペルセイドとβペルセイ」とともに追悼文を掲載しました。

学生時代から続く金井さんのライフワークは変光星の観測。特に食変光星アルゴルの観測を1966年12月から続け、極小観測500回をめざしていましたが、近年は体調がすぐれず自ら2025年ごろと予想していた500回を達成できずに亡くなられました。「星ナビ」8月号掲載の「最終話」は期せずしてアルゴルの話題でしたが、偶然とはいえ金井さんらしい「こだわり」のなせる技なのかもしれません。この「金井三男のこだわり天文夜話 最終話(カラー化再編版)」を、金井さんへの追悼の意をこめて特別公開いたします。

金井三男のこだわり天文夜話 最終話
天文雑誌「星ナビ」2028年8月号掲載の「金井三男のこだわり天文夜話 最終話」。画像クリックでPDFを表示

金井さんは、天文の歴史や最新の宇宙を解説する書籍を購入しては、好奇心の赴くままに様々な事柄に関する情報をノートに書き留めていました。WEBコンテンツ「こだわり天文書評」では、独自の視点から天文宇宙関連の新刊書を紹介していただきました。『まんが 星のギリシア神話』ではコラムを担当していただきました。また、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」を愛用され、古今東西の星空を行き来しては興味深い現象を拾い上げるなど活用。そのユニークな使いこなしは、『ステラナビゲータ活用集』としてハンドブックにまとめられています。

また、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」にも、金井さんにシナリオと解説を担当していただいたプラネタリウム番組「世界の星座 ~世界に残る特異な星座たち~」が収録されています。同番組は先にダイジェスト版を公開しましたが、改めてフル版を特別公開いたします。

金井さんがシナリオ・ナレーションを担当されたプラネタリウム番組「世界の星座 ~世界に残る特異な星座たち~」

この番組は2004年に発売された「ステラナビゲータ Ver.7」に初めて収録したものです。このバージョンからステラナビゲータに「プラネタリウム番組」機能を搭載し、四季それぞれの星空の紹介など10番組を収録しました。

番組の制作にあたっては、様々なテーマやジャンルの内容を取りそろえたい、ソフトの機能を活かしたものにしたいといった思いと共に、「個性豊かなプラネタリウム解説者たちの、宇宙に対するオリジナルの観点や語り口を楽しんでいただきたい」という点も重要視しました。金井さんはまさにそのような意図を具現化してくださる解説者のお一人で、たいへん充実した内容の番組を制作することができました。

「星座は、宗教観や自然環境、社会情勢など様々な影響を受け、独自の星座が作られてきました。世界に残る特異な星座たちを紹介するとともに星座の歴史などを紹介します」―― テーマの面白さと金井さんの名調子を、ぜひご堪能ください。

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